そんなもん捨てちまいな

 季節がらなにかを新しく始めたいという人が多いようで音楽教室には体験レッスンの問い合わせがやたらと多いです。けっこう演奏できる人から楽器を見るのもはじめての人までいろいろで、初々しい感じこの上なしです。どの人も始めたばかりは皆あまり変わりがないように感じるのですが、しばらく経って楽器の演奏も多少はできるようになってくると全員同じことしか教えてなくても各々の個性が出るから不思議です。

 周りのミュージシャン風情の人が声高にいうのは「自分らしくあれ」ということです。このことに関してはいつも胡散臭いなあと感じています。一つはそういう事にばっかり固執している人に限って全然誰とも違わない平均的な歌やプレイしかしないからです。

 障がいを持っているドラマーや小さい子供のドラマーと接することが多いのですが、当たり前ですが、すごい上手い人もいてソコソコの人もいます。上手いと一言にいってもいろいろで、決められた内容に忠実に演奏するうまさというよりかは発想の自由さで楽しい演奏をしてくれる感じです。非常に個性的です。彼らに共通するのは、音楽に没頭出来る、という事です。

 「自分らしさ」は大事だと言ってくるミュージシャンは正直皆技術はそこそこ高いものを持っている人が多いです。でもつまらないし退屈です。自分らしくあれと言いながら、他人の目ばかり気にするディーバ、個性は大事と練習はしないドラマー。もうウンザリ。

 自分らしくあれと意識している人は多分よほど自分に自信がないかもっとやらなければいけないことがあるのにそこから自分を無意識に遠ざけているのでしょう。個性などというものは意識しなくても勝手に表現されたり作品に内包されてしまうものだと俺は思います。演奏家としては今目の前の音楽に全力を尽くして演奏をする事が大事であってそれ以上のことは無いと考えます。自分探しや自分らしさを追求する事に意味はなくむしろ「自分なくし」が出来る事が必要です。

信頼のおけるメンバーとの演奏です。

3月15日(金) 自由が丘マルディグラ
“Soul Salvasion Extra Edition “
浅見出 斎藤健 鈴木健市 大山紀子 須田義和 
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