人に優しく

   



   バカじゃない


 よく名前の知られたトランペッターが自身のデレクションする子供達のバンドの本番でドラムソロをやめなかった子供を注意するのに髪の毛を掴んだり頬を張ったりしたようです。ライブそのものは都か区かわからないけどどこぞの教育委員会が件のトランペッターに依頼してディレクターをやってもらったようです。正直言ってそのこと自体には全く興味がないのですが、びっくりするのは結構な数の著名なミュージシャンや音楽教育関係者がトランペッターの行動を支持しているということです。


   ダメだよ


 音楽教育の場においての師弟関係は周りの人間には立ち入ることができない密接な関係が築かれていて生徒と教師の個人の間の関係については極めて特殊なのでやり取りの中に暴力が発生しても然るべき、というのが支持派の方々の意見です。そうだろうか?そんなわけないじゃん。自分のいうこと聞かないからそいつぶん殴って従わせるなんて犬猫相手でもあんましやりません。


   だから

 

 理不尽な暴力に晒された人はみんな自分がされて嫌だったから他人にはするのをやめようと思う人が大半でしょうが、稀に自分にされたことを同じように他人に行う人間になったりすることもあります。だから人に優しくしたほうがいいです。意地悪するとその人がまた何処かの誰かに意地悪するかもしれません。殴ってもなお教育だという奴がいればそれは間違いです。殴られても楽器は上手くなりませんし、殴られたから改心するわけではありません。件のトランペッターは自分の指導者としての能力の低さを証明した形になってしまったと思います。そしてそんな彼を擁護する人たちは権威主義者だと思います。


   でしょう


 楽器の演奏を学んでいく上での「良き師」とは何も実際に指導を受ける人物だけではありません。いい映画を見て感激したり、何度も読み返したい本に出会ったり、毎日会って話ししたい人物と一緒に時間を過ごしたり、そういうのも大事です。そして何よりも「聴き手」です。それこそが演奏家をさらなる高みに運んでくれます。そして一番の「聴き手」は自分の中にいると思います。このあと聴きたいのはどんなプレイか、どんなサウンドが一番心地よいのかと自問自答することがとても大切だと思います。自分の中の聴き手を育てることがいいプレイヤーへの近道だと思います。




   殴られても叩くのはやめないぞ


Drum 'n' Bike

須田義和のDrums&Bike生活

0コメント

  • 1000 / 1000